2008年 05月 28日
大葉 |
子供の頃、夏ともなると
漁業をやっているかたわら民宿までも営んでいた実家は
毎日お客さんで忙しい日々であった
朝の食事のメニューといえば
焼き魚に塩ウニそして漬物、塩ウニでないときはウニご飯、定番の海苔や生卵というときもある。そして味噌汁は必ず決まって若布と大葉の味噌汁だった
朝の準備はまず畑から大葉をちぎってくるとこからはじまる
そしてあらかじめ前の晩から根昆布を入れておいた鍋の水に火をかけ
塩抜きして洗った自家製の身の厚い若布をキッチリ絞りボツボツと切り
大葉は何枚か重ねてクルクルと巻いて細く切る
切った若布と大葉をおわんに乗せて
あとから自家製味噌で味をととのえた熱い味噌汁を上からかける
そうするとおわんの中で若布と大葉がパッとひろがる
大葉の香りは何ともいえないし、若布はしっかりとした歯ごたえがあって美味い
大葉を味噌汁に入れるのは、ここ金沢ではどうやら珍しいらしい
若布も全部鍋に入れてしまうから、時間が経つとドロドロフニャフニャ
だけどそれが良いとおっしゃる人もいる
実際我が家のじいちゃんが作る若布の味噌汁もそれである
郷に入れば郷に従え
わたしも、それはそれでいいんじゃない。と思えるようになった
が、しかし、
やはり私のふるさとの味は大葉の香りのする昆布ダシの
歯ごたえバッチリ若布の味噌汁がいい
それを一口すすると
岩手のあの涼しい夏の朝の畑
朝露のかかったみずみずしい大葉が朝日に光り
それを何枚かちぎり取り
あの慌ただしく忙しい母屋へ走っていく子供の頃の自分の姿が見えるようだ
懐かしくそしてなんだかせつない感じでもある・・・・・
by hp-amg2
| 2008-05-28 13:14